あれは名古屋に本拠地があった頃。
「mixi」なんてキーワード、今になっては30代ホイホイだろう。
多分私と同世代くらいの方々。だいたい30前半の人たちが大学生の頃に盛んに利用していたサービスだと思われる。
その頃は大学でサークルに入ってると先輩から誘われ、バイトやら中学高校からの友達やらと「マイミク」になり、コミュニティを作って日々の出来事を呟いたり、飲みに行く日程の調整やらなんやら、生活のポータルサイトとしての機能も果たしていたであろう。
mixi世代じゃない人にはさっぱりだと思うが、この画面にトラウマを覚えている人は少なくんしのではなかろうか。
ポチポチ遊ぶ時間と課金額がモノを言う、ソシャゲの入り口を開く一端を担ったのもmixi。
この頃出会い系といえば、「モバゲ」「グリー」「mixi」が全盛だった。
しかし、これは2000年代後半くらいの話である。
マルチ商法の勧誘の場と化してた
ので、私は危険を感じてめっきり触らなくなった。
しかし名古屋におけるフミヤ先輩に次ぐもう一人の私の悪友のおかげで、私はもう一度mixiの扉を開くことになる。。。
これはそんな廃れてからだいぶ時間が経った後のオワコンを利用した出会いの記録。。。
2014年 2月某日 名古屋にて
その夜私はP助という名古屋の親友と二人で飲んでいた。
このP助とは私が名古屋で社会人デビューしたての頃、修行を積んでいた頃に知り合った親友。
P助の方が遥かに経験値が高く、ナンパマンとしてもコンパマンとしてもハイレベルなのだが、
なぜか私と行くコンパは即率が高い傾向があり、そのためかよく一緒につるんで遊んでくれていたのである。
P助手配のコンパでは私が女の子を持ち帰り、
私の開くコンパではP助が女の子を持ち帰る。
そんなお互いにとってのメリットのある関係。
利害関係がのちに信頼関係を生むという、実に男性らしい友情の育まれ方だった。
お互いに無遠慮に
「金夜、コンパないですか?」
とメールを送りあえる関係。
ふつう、合コンしたくても自分でネタを引っ張れなかったら「女紹介してくれ」というのは丁寧に頼むべき事案である。
ただの職場の同僚程度の関係だったらなおさら。
気心の知れた仲でも、「近々合コンとかない?紹介してくれない?」くらいの聞き方は最低限のマナー。
私が人生で大切にしている言葉はフミヤ先輩の
「合コンして貰ったら、合コンでお返しする。それがマナーだ!」
である。
これができないメンズは本当にめちゃくちゃ多い上に、環境に慣れると人は増長するので、自分では全然コンパ開かないくせに
「最近コンパ開いてくれないじゃん!」
とか
「彼女と別れたから紹介してよ」
みたいな事を平気で言ってくる同僚がけっこういますが、
何でお前のシモの面倒を俺が面倒見なあかんねん
という気持ちになることも多々。
あまつさえ
「この間の合コンブスしか居なかったなー」
とか
他人の人脈のおんぶに抱っこのくせして
文句だけはいっちょまえ
という輩も少なくない。
私は基本的に他力本願な人間が嫌いな上に陰キャなので、こういう男には恨みがたまって行くが
P助氏とフミヤ先輩に関しては教わったものが大きすぎることもあるが、こういうことを全く気にならない。
数少ない利害関係を超えた数少ない友と呼べる存在である。
話は元に戻るが、この日はたまたま2人とも夜の予定がぽっかり空いた週末。
合コン、イベント、パーティーなどの催しが無い日に集まることはあまり無かった2人。
ただ男2人で飲むのにも飽きてきたころ
(飲み始めて30分もしないうち)
P助が言いました。

そろそろ狩るか…♠︎
しかし、季節が真冬だったこともあって我々はふぬけ状態だった。
私「P助さん、寒いんで外出てナンパしたくないっす」
ナンパ師の風上にも置けぬ体たらく。
しかしP助氏もそれは同じだった。
P助「じゃあネトナンでもしましょうか」
私「でもそれだと1:1になっちゃっておもろくないですね」
P助「たしかに」
うん、対案を出さない私もなかなかのクズである。
P助「mixiでもしましょうか」
私「mixi…??」
頭の上にクエスチョンマークが出るほどに意味のわからぬ回答だった。
P助「ちょっと爆撃してみましょう」
ちなみに、私にはネトナンのセンスがない。
(ストナンのセンスもないけど)
その為P助氏が一体どのようなノウハウで女の子をゲットしたのかわからないが、20分くらい後
P助「ヒットしました」
そんな簡単に出会えるなんて、ワクワクメールの広告もびっくりのお手軽さだ。
何回やっても待ち合わせ場所を決める段階になって「初回は2万円お互いの信頼のためにもお願いします」とか言われてしまう私涙目である。
どうして最初の一回だけお金を支払うことが信頼に繋がるのか理屈はさっぱりわからない出会い系七不思議の一つである。
兎にも角にも、女の子は1人だけだというが、名古屋駅で待ち合わせになったので行ってみる。
P助「モンスターが出てくる可能性は否定できませんが」
頼もしい。なんだか敵の本拠地に乗り込む前の仲間のセリフみたいだ。
20時過ぎ 名古屋駅 桜通口 金時計前
我々はP助のmixiに届いたメッセージの条件を満たす女の子を探した。
何でも女子大生で趣味はカメラ、ぽっちゃりでコンバースのスニーカーらしい。
P助さん、それ見えてる地雷じゃないすか
高確率でサブカル系ブサイクモンスターがくるやつ。
ただ、P助は知っていた。知っていた上で、暇つぶしに私を弄んだのだ。私が栄のブサイクハンターの称号を持つことを。
(最初からブスが来たら私に口説かせて酒の肴にしようと考えてたらしいです)
正に神々の暇つぶしである。
そして、先に我々を発見したのはそのサブカル女子だった。
「あのー、もしかしてP助さん達ですか?」
振り向くとそこには、妖精が立っていた。
妖精といっても、氷上の妖精リプニツカヤ的な意味合いではなく
異世界から来られたんですか?
的な意味合いである。
P助「そうです!じゃあとりあえず行きましょうか」
妖精(想定152cm 69kg)は
「いい人そうな人たちでよかったー」
と後ろからついてくるが我々は全くいい人達ではありませんので間違ってます。
ただ、いい人「そう」であることは大切なので心がけている。
名駅3丁目。通称メイサンに位置する居酒屋へ私たちは入店した。
ちなみに、名古屋という市場のポンコツぶりについて以前書いたが名古屋のダメっぷりは女の子のカタカタ度合いだけではない。
名古屋の3大繁華街はおそらく下記の3つだが
錦(オフィス街の裏に位置する歓楽街)
栄(百貨店やブランドの直営店が並ぶ繁華街)
どの街もラブホが無い
というクソっぷりである。
これら繁華街から徒歩でラブホ密集地帯である
「納屋橋」「新栄」あたりまでは大体2キロ弱ある。
つまり、駅に帰ろうと歩いていたらたまたまラブホがあったからちょっと休んでこうみたいなシチュエーションは皆無。
戦うと決めたら、タクって向かうしか無いがそんなら自宅に連れ帰った方が早いので殆ど利用した試しがない。
車主体の都市計画は欠陥あるでしょう。
河村さん、何とかしてください。
そんなことを思いながらどうやってこのあと3Pしようと考えながら飲んでいたら
P助「すいません、急用できたんであと2人で楽しんでください」と言い残してP助離脱。
夜の22時にできる急用ってすごいですね。ていうか
取り残された
席についてまだ1杯しか飲んでません。
30分強です。
mixiでやり取りしてたのはP助。
私はまだこの子のことほとんど知りません。
P助から届いたLINEには
「即ってください(藁)」
懐かしの(藁)が小馬鹿にしてる感満載です。
こいつ…
私を地雷原に置いて帰りやがって…
やったろうじゃないですか
つづく。