石垣島から帰ってきましたアキラです。
石垣の思い出は記憶が風化しないうちに書きますね。
と、台湾旅行記がしばらく間を空けてしまったので先にこっちを完結させようと思います。
一個一個完結させてから次のシリーズ始めた方がいいのかな?という思いもありますが、書いてて飽きが来ないことを優先にしている所が大きいのでご容赦頂ければと思います。
ただヒキで終わっているのにしばらく放置というのはやっぱり富樫先生の休載みたいであんまり良くないと思うので、区切りのいい所までは連載でやろうとは思ってるんですけどね。
今回はやり手ババアとの交渉までを書き進めていきます。
ここから本編
龍山寺を出た我々、男三人はまだまだ空腹。
というか、海鮮スープはうまかったけど腹一杯にはならない。ここでやめときゃ痩せるんだろうなw
鼎泰豊に並んで小籠包。正直、鼎泰豊はどこでも食べられるんだけどやっぱり発祥の地台湾で食べたら何か変わるのか?というのと、他のローカルな小籠包をちょいちょい食べていたからミシュラン1つ星のここと何が違うのか?という食べ比べのために訪れた。
結論から言うと、バカ舌庶民の我々には違いなどわからなかった。ローカル小籠包も美味いし、鼎泰豊も美味い。違いのわかる男になる道は遠い。
画商を育てるには、子供の頃から「良い絵だけを見せて」育てるらしい。つまらない絵や贋作といったものではなく、本物の、一流の物だけを見て育ててはじめて「本当に良いものを見分ける力」が身につくそうな。
先日21世紀美術館に行ったけれども、大学で芸術学科を出ている私でも現代芸術の良さはハッキリ言ってわからない。
本当に違いがわかる男というのが世の中にどれだけいるかわからないが、私は大衆娯楽を好むし、ブサイク女子だって抱けるし、ローカル食堂の1個10円の小籠包もミシュラン掲載店の1個100円の小籠包も同じように愛せる。気取ってスノッブになるより庶民でいるのも悪くないかな。
私と奥居は2人で一個のかき氷を分け合ったが、雑草は1人で一個を完食していた。
たっぷりのマンゴー果肉にプリンまで乗った大ボリュームのかき氷。
ちなみに、ここで後ろの観光の予定がツメツメだったので連れ出しとかはしなかったが隣に座ったアラサー日本人女子と世間話をしてLINEを交換した。
純粋に旅行客同士での助け合いという側面もあるけどね。
若干日も暮れてきたところで遠くに見える台北101までウォーキング。お腹がパンパンになったので腹ごなしに歩いてみようぜ、という流れ。
40分くらい歩いて101に到着するが、特に見所なく去る。
タワーに登る入場料金をケチっただけである。
あと、近代化された台北101はあまり冒険心をくすぐられなかったということもある。内部に入ると免税店のような装いだったため、ショッピングに興味のない男旅行で来る所ではないな、という空気に気圧されたのだ。
相談後、日も暮れてきた所で林森北路に向かうことに。
林森北路とは
台湾の在留日本人向け歓楽街があるところ。
お金持ち外国人という立場である在留or出張日本人リーマン向けにキャバクラ、カラオケ(KTV)など夜遊びスポットがひしめく地域。
調べた所ではキャバクラもカラオケも日本のそれとは異なり、追加料金で女の子をお持ち帰りすることができる業態とのこと。
ただ、価格がべらぼうに高いらしく、日本で風俗に行くのと同じくらいかそれ以上のお金がかかるということだった。
台湾旅行編の前置き回で、台湾は風俗遊びしに行く所じゃないなと言ったのはこのため。
台湾は風俗が合法ではなく、公安の目があるからこのような業態になるらしい。店内でのプレイではなく、お持ち帰りしてのプレイが前提だから店での遊び代+持ち帰り代+女の子へのチップという構造になって割高になるのだ。
激安置屋みたいなのが郊外に行けばあるらしいけど、そこまで行く気にはなれなかったのでひとまず偵察。
目的地としては、台北市内で唯一まぁまぁリーズナブルな値段で夜遊びができるサウナ(三温暖)という業態があるから、そこの調査をするということは決まっていたのだけれど。
林森北路に着くと、あたりは薄暗い。
タクシーの運転手に最初「林森北路」と書いた紙を見せたらハァ?という顔をされたが、「お前ら日本人?」と聞かれて「Yes」と答えると合点が行ったらしく連れてきてくれた。
林森北路といっても通りの名前だから、具体的にどのあたりに行けば良いの?という意味合いだったのだろう。
タクシーを降りると時刻は19時を回っていたが、道に活気がない。というか、店が空いてない。
夜の画像が無くて申し訳ないが、天津街という道を歩いているとピンクの看板が出ていたりなんとなく夜の街の匂いがしてくる。
しかしあまり活気が無い、薄暗い歓楽街を歩くのはちょっと不安を感じる。
犯罪に巻き込まれやしないか、ナイーブな我々がおどおどしながら歩いていると、前方から自転車に乗ったババァが声を掛けてきた。
「お兄さんたち、日本人?」
明らかに怪しさ爆発である。
「日本人だよー」
「あなた達、お店探してる?」
顔を見合わせる我々。
「カラオケ?キャバクラ?今日はお店みんなオヤスミだよ!!」
「いやいやいや、あるっしょ」
「今日日曜日。女の子と遊べるの、金曜とか土曜ね」
「まだ時間が早いだけじゃないの?」
「台湾、エッチできない。知ってるか?お兄さん」
怪しさ爆発どころではない。
「嘘でしょ!サウナあるじゃん。」
「サウナだめ。私みたいなのしかいないよ。ババアばっかりね!」
吹いた。
自らをババアと称してサウナをdisる。
正直なこの姿勢は嫌いじゃない。
「若い子やりたいでしょ?こんな所歩いてたらわかるよ!私特別に紹介してあげる!」
我々は男3人で会議を開いた。
雑草「どうする?」
私「やばい香りしかしないw」
奥居「俺は興味ある」
お、おお…
飽くなき探究心。
奥居「いっぺんついて行って見て、ヤバそうなら撤退しよう」
素晴らしい。
というわけで、ヤバそうだったら走る準備をしておこうという打ち合わせだけしてババアについて行く。
「おばちゃん、正直者のアンタについて行くぜ!」
「あなた達賢いアル」
そんな感じの言葉を告げると、ババアは自転車に跨ったままどこかへ電話をかけ始める。
電話が終わらないうちに、ババアはこっち来いやというジェスチャーをして、自転車を押して歩き始めた。
どんどん真っ暗な方向へと向かうババア。
電話は終わる気配がなく、ババアはずっと大声で何か話している。
連れ込み宿のような汚いホテルや、薄暗いコインランドリーがある道を抜けて、15分程ババアの後ろを歩く。
雑草「やばくね?ww」
私「マジで臓器売られるんじゃないかww」
奥居「信じるんだ。俺の勘ではもうすぐだ」
奥居よ…頼りになる背中だ!
そして我々はたどり着いた。
ポン引きのババアが連れて来るには不釣り合いなハイソなエリアに。ゴージャスなホテルが見え、「リージェント 台北」と書かれている。
ババアはこの道にあるプラダの店舗の柱の影で待つように言った。

店が閉まり、ひっそりとした店内に高級そうなカバンが展示されている。
正面玄関には厳重なシャッターがおりている。こんなところで待ち合わせとは…
程なくして風俗の送迎感が隠せない一台のバンがやってきた。
ババアは声を潜めて言う。
私に500台湾ドル。女の子に3000台湾ドルね。
トータルで1万円くらい。
うん、相場としてはそんなもんだろう。
ババアがバンのドアをノックすると、中から3人の女性と、もう一人やり手ババアが現れた。
うん。。。。
暗い。。。。。。
暗いよ。。。。。。
プラダの店舗の暗がりに立つ女性達は、顔が良く見えない。
ヒールを履いて、ワンピースを着たその身体は3人とも細く、スタイルは悪くないが…
いかんせん顔が見えない。
「おい、どうする…?」
20分近くも歓楽街から歩かされ、少々苛立ちさえ覚えていた。ハズレだった場合時間的コストの無駄を考えると、かなりの消耗だ。
ババア2「決められない?みんな若いよ!どうする?」
「やめとこう」
口を開いたのは奥居。
「おばちゃん、ダメだ!」
ババアは怯まない。
「心配ない!女の子、あと3人いるね」
ババアが再びバンのドアをノックすると、新しい女の子がまた3人出てきて、選ばれることのなかった3人はバンの中へと肩を落として帰って行く。
しかし、
うむ。。。。。。
暗いよ、、、、暗いんじゃああ!!!
しびれを切らした私はスマホのLEDライトをオンにし、彼女らに向ける。
ババアやないか
光に照らし出された彼女らの顔には皺が刻まれていた。
どう見ても40台以上。
危ない。
ホテルの部屋に入ってみてあらびっくりというやつだ。
我々「帰る」
ババア2「なんで!日本人おかしいよーみんな若くて綺麗ね!ちゃんと見て!安いよ!キャバクラ行ったら1万台湾ドルするよ!」
我々「すまん、サウナ偵察するわ」
ババア「サウナとかバカねー。お兄さん、女の子違う子呼ぶから待って!」
我々は営業トークを続けるババアに背を向け、元来た道を歩き出した。
すまん。すまんババア×2よ。
我々はもうお前らを信じることはできないんだ。
こうして我々は大変な時間をロスして、やり手ババアから逃れた。しかし、一つの調査ができたことは良いことだろう。
台湾ではやり手ババアについて行くなと言うことを。
事前のネットの情報収集通りだ。ハズレだ。
予定通り、金年華三温暖を目指して歩いていると、後ろから我々を罵るかのような声がした。
振り返ると、先ほどのババアが自転車2ケツで我々にファックサインを出しながら追い抜いて行くところだった。
ババア2人の2ケツなど、日本ではそうそうお目にかかれない。
激レアな経験をさせてもらい、我々は爆笑した。
ババアは我々より一回り先に林森北路で営業を続けるのだろう。
逞しきかな、台湾のババア。
つづく。