名倉師匠の教えを胸に抱きつつ、絶対にチャレンジしてやると意気込んで臨んだコンパ。
ノリ良し顔良しのA子が酔い潰れてリバースする事件が発生し、コンパもまた潰れたかに見えた…
しかし、タダでは起き上がらないと心に決めていた私は最寄駅が一緒だったことにも助けられ、A子を介抱するチリドル信恵にターゲットを変更。
A子を自宅のベッドに寝かしつけてくると言う信恵に後で飲み直そうと持ちかけたのだった…
ここから本編
信恵と一時解散してから30分以上が経過した。
私は頃合いというものをずっと見計らっており、携帯電話を前に正座してその時を待ち続けていた。
震える手でメールの文面を打ち込む。
「そろそろ落ち着いた?良かったらどっかで飲み直そうよ」
何度も文章を書いては消し、書いては消す。
まるで中学生の初恋みたいにビビっていた。
暫く考えた末に、送信ボタンを押そうとする手を止めて一度スマホをソファに放り出した。
…
学生時代にバイトしていた先の先輩が言っていた言葉を思い出す。
「メールとか気持ち悪いよ。頑張って書いた文章って短くてもキモさが伝わるんだって。俺だったら電話するな」
好きな子に何てメールするか、という談義をしていた時の言葉だ。
たしかに、メールで打ったら断るのは容易い。
もう日付も変わろうとしているし、ただでさえ向こうには断る正当な理由があるのだ。
私は頭を抱えたあと、迷った末に先ほど打ち込んだ番号に電話をかけた。
通話のボタンをタップする瞬間、心拍数が2倍くらいに上がっていた。
非モテの自分は、女子に電話をかけるだけでもこんなにもビビり、消耗するのだ。
数コールののち、電話が繋がった。
信恵「もしもし、アキラくん?」
私「あ、あの、おつかれ」
激しくダサい。しかし賽は投げられた。もう引き返せない。
私「具合どう?」
信恵「なんとかシャワー浴びさせて寝かせたところだよー。今日はありがとう。本当ごめんね迷惑かけちゃって」
私「全然いいって。ところでどう?出て来れそう?」
信恵「あ、うーん…さっきシャワー浴びさせるときに濡れたから実はもう着替えちゃったんだよね」
信恵「それで今すっぴんだしジャージなんだ…だからまた今度にしてもらえたらなって」
ひ
ひ
ひ

秘孔を突かれた思いでした。
しかし…

無理めな状況でも戦うと誓ったのだ!
何度でも蘇るさ!
私「気にしなくていいよ!ちょっとだけでも信恵ちゃんと今夜話したいんだけどだめ?」
ついに言った一言。
きちんとハッキリ、お前と一緒にいたいんだと。
信恵「え?うーん…今夜じゃないとダメなの?」
私「今夜がいいな。でないと忘れちゃうでしょ?薄い関係のまま一日終わるとどうでもよくなっちゃったりするじゃん」
信恵「私はそんなことないよー!アキラくん優しいし、覚えてるって」
私「うーん、でもやっぱり不安だからちょっとでも会おうよ。缶コーヒー持って駅前に行くからさ。それ飲みながら散歩するだけ!ね!」
信恵「散歩かあ…どうしようかな」
私「じゃあ10分後くらいにね!」
今思い返すとこの言動は大きな成長だった。
それは選択権を相手に委ねないということだ。
女は「優しい男が好き」という。
女性への「好きな男性のタイプ」アンケート結果はそのバイト先の先輩曰く、50年以上変化していないらしい。
「かっこいい男」「面白い男」そして「優しい男」だ。
この3つが、いつの時代もトップ3にいる。
もちろんトップ3の中で変動はあるが、常にこの3つ。
しかし
「優しい男」とは一体どんな男であるのか。
全く定義の無されていない言葉が故に、多くの非モテを悩ませてきたのだろうと思う。
優しい男が好きなくせに、優しいだけではダメだとかいい人止まりで終わるとか。
矛盾しとるやんけ!と思うこともあったが、これがズバリ正解とまでは言わないまでもこの神秘の一端が今なら少しだけわかる。
大学生の頃、気になっている女の子を飲みに誘ってどうしようか迷いの返答が来た時に、バイト先の同僚の女の子に相談したことがあった。
その女の子は言った。
「決めて欲しいんじゃない?」と。
言われるがままに勇気を出して「行こうぜ!」と言ったら飲みに行けた。
女の子は決められない生き物なのだ。
面倒臭い生き物だな、と見下した人は非モテ男性脳だと思う。
だってそれは女子に決めて欲しいと言っているのと同じだから。
面倒臭い生き物は決められない男の方なのである。
そもそも何かを意思決定するということには責任が伴う。
企画書を上司の所に持って行って指示を仰いだ時に、上司から
「お前が本気で良いと思うならやってみたら?」
こういう返答が帰って来たらどうだろうか?
私はオメーの意思はどうなんだよと思う。
上司はこの場合、GOサインを出してはいるけれども、責任を被ろうとはしていない。
「お前に任せるよ」というのは責任の転嫁でしかない。
一見、部下を信頼しているように見えるかもしれない。
言われた方も悪い気はしないかもしれない。
全権委任してくれるんだね、信頼してくれているんだね、と。
でもこの場合、失敗した場合の責任は全部部下の自分である。
経験上、良い上司と仕事をした時は良いも悪いも共有できるよう、一緒になって仕事を進めてくれるか、決済を求める会議で自ら手を挙げて援護してくれる。
会議の場になっても全部部下にプレゼンさせるような上司は多くの場合自分にしか興味がない。
そんな訳でこの場合における「優しい男」の定義とは?
決めてあげるのが優しさなのだ。
女の子に自分の意思で選ばせたら、その後セックスすることになったとしても全部女子の責任である。
「相手に全部選ばせてあげる」
というのは、相手の希望を全部叶えてあげる一見優しい男のようで実は全然優しくないのだ。
デートの場所も、女の子の行きたい希望を聞いてそこに連れて行くだけなら、女の子はそこに行けて満足かもしれないが
道中にトラブルがあったり、実際行ってみたら全然ツマんなかったり、激寒で風邪ひいたりした時
それは全部女の子の責任になる。
ケンカになった場合に言うだろう。
「だってお前がそこ行きたいって言ったんじゃんか」と。
責任を取りたくないのは万人共通。
だからこそ率先して、その責任を負ってあげるのが本当の優しさ。
デートに行くか行かないか、お酒を飲むか飲まないか、チューするかしないか、セックスするかしないか。
女の子が本音はYESでも一旦NOって言ってみる、のはこの為だ。
一回NOって言った所を、「いいじゃんやろうよ」と男がひと押ししてくれるだけで、責任から逃れられる。
これを面倒臭いと思わずに付き合ってあげられるのが優しさなのかなと今では思う。
ちなみに、この自身で決断する=責任を負うことができるから、女性にモテるやつは仕事もできる。
全く定義の無されていない言葉が故に、多くの非モテを悩ませてきたのだろうと思う。
優しい男が好きなくせに、優しいだけではダメだとかいい人止まりで終わるとか。
矛盾しとるやんけ!と思うこともあったが、これがズバリ正解とまでは言わないまでもこの神秘の一端が今なら少しだけわかる。
大学生の頃、気になっている女の子を飲みに誘ってどうしようか迷いの返答が来た時に、バイト先の同僚の女の子に相談したことがあった。
その女の子は言った。
「決めて欲しいんじゃない?」と。
言われるがままに勇気を出して「行こうぜ!」と言ったら飲みに行けた。
女の子は決められない生き物なのだ。
面倒臭い生き物だな、と見下した人は非モテ男性脳だと思う。
だってそれは女子に決めて欲しいと言っているのと同じだから。
面倒臭い生き物は決められない男の方なのである。
そもそも何かを意思決定するということには責任が伴う。
企画書を上司の所に持って行って指示を仰いだ時に、上司から
「お前が本気で良いと思うならやってみたら?」
こういう返答が帰って来たらどうだろうか?
私はオメーの意思はどうなんだよと思う。
上司はこの場合、GOサインを出してはいるけれども、責任を被ろうとはしていない。
「お前に任せるよ」というのは責任の転嫁でしかない。
一見、部下を信頼しているように見えるかもしれない。
言われた方も悪い気はしないかもしれない。
全権委任してくれるんだね、信頼してくれているんだね、と。
でもこの場合、失敗した場合の責任は全部部下の自分である。
経験上、良い上司と仕事をした時は良いも悪いも共有できるよう、一緒になって仕事を進めてくれるか、決済を求める会議で自ら手を挙げて援護してくれる。
会議の場になっても全部部下にプレゼンさせるような上司は多くの場合自分にしか興味がない。
そんな訳でこの場合における「優しい男」の定義とは?
決めてあげるのが優しさなのだ。
女の子に自分の意思で選ばせたら、その後セックスすることになったとしても全部女子の責任である。
「相手に全部選ばせてあげる」
というのは、相手の希望を全部叶えてあげる一見優しい男のようで実は全然優しくないのだ。
デートの場所も、女の子の行きたい希望を聞いてそこに連れて行くだけなら、女の子はそこに行けて満足かもしれないが
道中にトラブルがあったり、実際行ってみたら全然ツマんなかったり、激寒で風邪ひいたりした時
それは全部女の子の責任になる。
ケンカになった場合に言うだろう。
「だってお前がそこ行きたいって言ったんじゃんか」と。
責任を取りたくないのは万人共通。
だからこそ率先して、その責任を負ってあげるのが本当の優しさ。
デートに行くか行かないか、お酒を飲むか飲まないか、チューするかしないか、セックスするかしないか。
女の子が本音はYESでも一旦NOって言ってみる、のはこの為だ。
一回NOって言った所を、「いいじゃんやろうよ」と男がひと押ししてくれるだけで、責任から逃れられる。
これを面倒臭いと思わずに付き合ってあげられるのが優しさなのかなと今では思う。
ちなみに、この自身で決断する=責任を負うことができるから、女性にモテるやつは仕事もできる。
ナンパ師の実生活(ビジネス面)が充実しているのはここに深い関係があると思っている。
自分の会社の管理職を見ても、ヒラ時代に遊んでいた人ほどいい上司として評価されている。
一見チャラついて不真面目に見えても、求心力があるのはこの為だ。
保身ではなくて本当の優しさが身についているから部下にモテる。
部下にモテれば、部下はやる気を出す。仕事はうまく行く。
めちゃくちゃ長ったらしく書いてしまったが、私はここでその第一歩が踏み出せた気がする。
化粧を落として、ジャージに着替えた状態で、部屋の中には酔いつぶれた友達(他人)
そんな状況でどうするか?普通だったら外には出ない。
その状況をほんのひと押し、強引に誘うことでクリアしたのだ。
嫌われる事を恐れる保身ではない決断がそこにはあった。
10分後、私は缶コーヒーを二本手にして駅前にいた。
「おまたせしました」
信恵がやってくる。ジャージ姿は流石にまずいと思ったのか、いちおう着替えて来たらしい。
しかしコンタクトは外してメガネ姿。

元々の容姿がチリドルだっただけに、さらにルックスの偏差値が低下しているが仕方がない。
風呂上がりの女はふつう色気が増すが、いい匂いがするくせにセクシーさがマイナスされている。
私「本当に来てくれたんだねwありがとうw」
信恵「ホントだよもうw恥ずかしいw」
口ではそう言うものの、どこか嬉しそうにしている。やっぱり踏み出して良かった。
私「とりあえず歩きながら話そうか。どっちがいい?」
2種類違う缶コーヒーを差し出して選ばせる。
少しずつ自分の家の方向に向かって遠回りしながら歩いて話をする。
信恵は私と同じく、配属で名古屋にやって来たクチで、東京出身なこともあり共感できる部分が多くあった。
早稲田大学の政治経済学部出身の超エリートコース。
大学時代から一人暮らしをしていたのでその辛さはあまり無いが、やはりそれまでの友達が全くいない環境には寂しさを感じているらしい。
化粧品会社に勤めているから服装は気を使っているし、肌も綺麗で良い匂いがする。
前編の時に「清潔感のあるブス」と称したのはこの為だ。
こみ上げるムラムラ感を必死に増幅しながら歩く。
15分ほどの散歩の末に、私は自分のマンションの前まで信恵を誘導することに成功した。
私「ここ、俺の住んでるマンション」
信恵「へー」
私「せっかくだからちょっとだけ寛いでいきなよ」
信恵「えーと・・・」
ここで私は、幾度となく頭の中で繰り返して来た
人生で一度は言ってみたかったフレーズ
を口にする。
私「別に変なことしないからさ」
信恵「本当に?じゃあちょっとだけね。A子も心配だし」
い
い
言ってやったぜ!!!!!!!!
人生初の「変なことしないから」
しかも成功。
これ言うの夢だったんですよね。
というわけで入室に成功。
次回完結。
つづく
クリックで応援宜しくお願いします!
自分の会社の管理職を見ても、ヒラ時代に遊んでいた人ほどいい上司として評価されている。
一見チャラついて不真面目に見えても、求心力があるのはこの為だ。
保身ではなくて本当の優しさが身についているから部下にモテる。
部下にモテれば、部下はやる気を出す。仕事はうまく行く。
めちゃくちゃ長ったらしく書いてしまったが、私はここでその第一歩が踏み出せた気がする。
化粧を落として、ジャージに着替えた状態で、部屋の中には酔いつぶれた友達(他人)
そんな状況でどうするか?普通だったら外には出ない。
その状況をほんのひと押し、強引に誘うことでクリアしたのだ。
嫌われる事を恐れる保身ではない決断がそこにはあった。
10分後、私は缶コーヒーを二本手にして駅前にいた。
「おまたせしました」
信恵がやってくる。ジャージ姿は流石にまずいと思ったのか、いちおう着替えて来たらしい。
しかしコンタクトは外してメガネ姿。

元々の容姿がチリドルだっただけに、さらにルックスの偏差値が低下しているが仕方がない。
風呂上がりの女はふつう色気が増すが、いい匂いがするくせにセクシーさがマイナスされている。
私「本当に来てくれたんだねwありがとうw」
信恵「ホントだよもうw恥ずかしいw」
口ではそう言うものの、どこか嬉しそうにしている。やっぱり踏み出して良かった。
私「とりあえず歩きながら話そうか。どっちがいい?」
2種類違う缶コーヒーを差し出して選ばせる。
少しずつ自分の家の方向に向かって遠回りしながら歩いて話をする。
信恵は私と同じく、配属で名古屋にやって来たクチで、東京出身なこともあり共感できる部分が多くあった。
早稲田大学の政治経済学部出身の超エリートコース。
大学時代から一人暮らしをしていたのでその辛さはあまり無いが、やはりそれまでの友達が全くいない環境には寂しさを感じているらしい。
化粧品会社に勤めているから服装は気を使っているし、肌も綺麗で良い匂いがする。
前編の時に「清潔感のあるブス」と称したのはこの為だ。
こみ上げるムラムラ感を必死に増幅しながら歩く。
15分ほどの散歩の末に、私は自分のマンションの前まで信恵を誘導することに成功した。
私「ここ、俺の住んでるマンション」
信恵「へー」
私「せっかくだからちょっとだけ寛いでいきなよ」
信恵「えーと・・・」
ここで私は、幾度となく頭の中で繰り返して来た
人生で一度は言ってみたかったフレーズ
を口にする。
私「別に変なことしないからさ」
信恵「本当に?じゃあちょっとだけね。A子も心配だし」
い
い
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人生初の「変なことしないから」
しかも成功。
これ言うの夢だったんですよね。
というわけで入室に成功。
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